2013年11月9日土曜日

【所感】リーダーシップについて(NHK白熱教室まとめ 第2回)

前回の続き。

白熱教室のまとめ(第二回)。
今回も非常に興味深い知識を得ることができたので、まとめる。

前回の復習

世間一般で言う、リーダーシップに対する誤解は以下のとおり。
今回も同じポイントについて詳細化して、整理する。

  • リーダーシップと権威を混合してしまう
  • リーダーシップを個人の特質とみなす(才能ありきだと思っている)

リーダーシップは学べない?

リーダーシップを学べると考えていた人は昔はほぼ0だった。
未だに学べないものと考えている人がいる。

混乱の元

  • 人々はリーダーシップと権威と混同する。リーダーは社会的に優位であると考えてしまう。
  • 特徴が目立ったことで社会的優位とみなされ、リーダーとして抜擢されることは多い。
  • 余談だが、子供の頃、社会的に優位だった人はハーバードに入っている率が高い。おそらく子どもの頃から経験的に、社会的に優位に立つ方法を学んでいるのだろう
実験

  • 新生児に多くの刺激を与えた場合どうなるか?
  • 結果として、敏感に反応する新生児と動じない新生児がいるようであった。
  • 尚、ほとんどの赤ちゃんは中間になる。
  • 20年の追跡調査によると、敏感だと恥ずかしがり屋になりやすく、社会的に優位じゃない位置に行くことが多い。逆に動じない人は社会的に優位にいることが多い。動じない人は、頼まれたり、守ったり、社会的な機能をまかなう経験を多く積む傾向にある。

上記の実験の発展系として、こんな例がある。
「一番年上で社会的に優位だった人が、社会的に優位ではなくなるとどうなるか?」
結果は、やはりリーダーシップ性は失われる。

自分から志願するタイプは、おそらく、子どもの頃からチームをまとめたり、集団行動を指揮したり、自分に自信があったりすることが多い。

とはいえ、色々ある生活から何がリーダーシップを生み出すのか発見するのは難しい。

混乱と不均衡に耐えるコントロールの方法を学ぶ


教授が無言になるので、生徒に自由に会話させる実験を行う。
このとき、リーダーシップがどのように発生するか観察したい。

沈黙した時間が始まった瞬間、一番に話しかけたのが軍人だった人物。

教授曰く、「軍人が最初に口を開いたのは偶然ではない」

というのは、軍は危機的状態のときにリードする立ち位置であるためだ。無言という無秩序、混乱した状況が発生したため、軍に所属していた人物が、安定を保護するために発言したとみなせる。また、それと同時にこの状況が示しているのは「周囲が彼に権限を与えてしまった」ことである。

試しに軍人はしゃべらない状態にして、また、教授が無言になる。
生徒は個々に議題を話し始めるが、教授が2度、生徒に説明する。

「権威とリーダーシップを混同している。もっと、別の視点を持つんだ」

教授は生徒の方向修正として、以下の観点を説明した。

  • カリスマ性とリーダーシップは別である
マックスウェーバーのカリスマという言葉を示したが、それは支配を示すものであった。
カリスマ性を発揮する人は、リーダーシップを発揮しないことが多い。多くは、皆をがけっぷちへ追い込む。
  • 分析単位の見直しを行う
今まで、生徒たちはリーダーシップを示す単位を「権力、人物の特徴」としていた。
しかし、教授は「仕事、問題の進展状況」に分解して考えるべきとした。

リーダーシップとは人単位ではない、ということ

リーダーシップを発揮するのにどんな活動があるのか?

例えば、人々は病気になると治療というサービスを期待して医者に巨大な権限を与える。
では、権威を与えられた医者は常にリーダーシップを発揮しているのだろうか?

医者は権威を与えられるものの、嘘をつくかもしれない、おおげさなことを言うかもしれない、偉大に見えるが何もしてくれないかもしれない。偉大に見える医者は俗にカリスマ性があると言われるが、その医療の中で高額になる上、医療の内容によっては治療の効果が得られない可能性がある。
こうした視点で見た場合、リーダーシップの発揮については懐疑的になるのではないだろうか。

一方で、医者の医療行為を分析単位とすると、「患者の問題に貢献できる医者が有用である」となる。言い換えると、偉い医者でも、費用が高い医者でも、有名な医者でもない。

すなわち、リーダーシップは人単位ではない。

では改めて、切り離して考えよう。
リーダーシップと、権威を。

リーダーシップは「問題に立ち向かい、大勢を動かす手段」

と定義する。

反対運動の主導者は、リーダーとは呼ばない。
反対運動の主導者は、非公式の権限を得る、すなわち、周りから権威を与えられた。ここまでは事実だ。しかし、今後において、これを公式化したり、実態のある組織を作るかもしれない。

こうした中で重要なポイントは「問題の解決に向けて貢献をしたのか」ということだ。

リーダーシップを人物の特徴ではなく、実践でとらえる。
  • どのように問題があるか診断したか
  • どのように問題に対して対応したか
ということがリーダーシップの本質である。

つまり、リーダーシップについて学ぶ際に重要なのは「リーダーと呼ばれた人物を分析するのではなく、発揮されたリーダーシップそのものを分析する」ということだ。

言い換えると「この人物はこの件はリーダーシップを発揮したが、別の件ではリーダーシップを発揮していない。」といったみなし方を行うべきである。

なるほど、言われてみたらそのとおりで、私の実生活での経験を踏まえても、権威とリーダーシップは別でした。いや~学んだ、学んだ。

ではまた。