2013年11月24日日曜日

【所感】リーダーシップについて(NHK白熱教室まとめ 第4回)

前回の続き。

また、理解を含めてまとめるよー。完全に意訳だけど。

前回からの課題。
リーダーのアドバイスが人々に聞き入れられない理由を検討する。
コンサルタントが顧客に提案したにもかかわらず、何故、クライアントは対応しないのか。
心臓病だった人が生活習慣を見直す確立と同じぐらい低いのか。

環境の適応による解決モデルと特徴について

クライアントが対応しない、すなわち、環境に適応しない理由を考える。
環境に適応する良いモデルにDNAがある。
進化に基づき、環境への適応に対する解決法があるものだと推定して考える。

たとえば、DNAはチンパンジーから人間へと革新に導いた。
このことを中心に考えてみよう。

チンパンジーと人間は99%同じDNAで構成されている。

つまり、人間とは何も無いところから急に生まれたわけではなく、すでにあることを前提として1%だけ変化した種なのだ。
DNAは機能していることに着目して、機能している箇所をあれこれいじって、影響を見る。
そういった特定、破棄、温存といった作業を繰り返してDNAは変化してきた。

環境に対する反応についてみてみよう。
自然界において、
  • 進化とは環境に適応していくこと
であった。

組織の本体、あるいは社会も環境であるとみなして考える。

たとえば、政府が貧困問題に着手したとしよう。

政府はいくつかの施策を出すだろう。しかし、解決できない。
なぜか。

家族ごとにアレンジが必要になるからだ。
地域の差をどのように吸収できるか考える必要があるからだ。

そのなかで重要なポイントがある。

何かをかえる際に重要なのは変えないものを特定することである。
劇的な変化は非常に保守的なのだ。

かつて、アメリカの革命と呼ばれるイギリスからの独立戦争。
この発端となったレキシントンコンコードの戦いがあった。

しかしながら、現在、アメリカに横たわる文化の多くはイギリスとほぼ同じである。
革命といっても、多くの文化は変わらなかったということである。

別の例で言うと、中国が中華大革命を起こして、社会主義から資本主義に変わったとしても、儒教が失われたわけではない。

つまり、誤解してはならないのは
  • 一から見直しを行うようなことがあっても、変わるのは非常に小さな一部
ということである。

リーダーシップを行う人にとって大事なのは、変化に対して、先に警鐘を示すことが大事だ。

変化を恐れ、抵抗する人にまず知らせることだ。

ここの宗教、文化、価値観は過去のものを残す、と。


キング牧師に学ぶリーダーシップ


変革は保守的であることがわかってきた。

かつて、キング牧師はあまり権威を持ち合わせていなかった。
アメリカによって大事な価値観を言った。
  • アメリカ建国時の根本はまだ終わっていない。まだ道半ばだ
これがリーダーシップを行う際の本質である。


何から新しいものが生み出されるか?

結論としては、何も無いところから、革新は生まれない。

あくまで、既存の環境、社会があることが前提であり、多くの革新的な何かは既存のものを組みなおして生まれるものであると考える。

iPodの例

あるエンジニアが携帯型の音楽CDプレーヤーを生み出した。
掲題できることに加え、研究を続け音とび防止機能やかっこいいデザインが考案され、世界中に売れていた。
一方で、その会社は小型のHDDを生み出す技術を持っていた。

あるエンジニアは言った、音楽プレーヤーとHDDを組合せばもっと使いやすくなる、と。
しかし、そのエンジニアのアイデアは採用されなかった。

社内のほかのものの不利益になるからだ。

既存の開発である、デザインや防水仕様だったり、音とび防止技術はいらなくなる。
トップ売り上げを維持するために投資してきたコストが、すべて無駄になるためだ。
結果、その企業ではお蔵入りとなった。

その後、AppleがiPodを発売し、市場を一変してしまった。

なぜAppleが開発できたか。失うものが無かったからだ。

大企業は革新的な技術においては、遅れをとりやすい。


環境への適応のメカニズムについて

改めて、DNAに基づく環境への適応方法について考えよう。
DNAは以下の3つを組み合わせて、変化している。
  • 特定
  • 破棄
  • 温存
これらの変化の多くは失敗する。
DNAでみても、突然変異が生き残る可能性は非常に低い。
つまり、革新は合理的ではない。この変革への原動力は「多様性を求めること」に他ならない。
固体のどれかが将来への鍵を握っている。
しかし、それはどれが正解かはわからない。


革新は外部の何かがもたらすものなのか

たとえば、コンサルタント等がそうである。しかし、多くの場合は失敗に終わる。
この失敗に対して、分析を行おう。

ベトナムの例

解決に向かうような回答を編み出し、プラスの差異を編み出す。
国際的な問題の例をあげる。

とある国際機関が調査したところ、ベトナムのあるグループにおいて子供の栄養バランスが悪いことがわかった。そこで、提案があがった。「ベトナムに米を提供すべき」といった考えだ。

これは短絡的な考えであり、正解ではなかった。

ある調査団体はそんな短絡的な考え方にはいかず、まずベトナム国民を注意深く観察した。

結果、ベトナムの中にある栄養バランスの良いグループと悪いグループの違いを見つけた。

1.食べ物に違いがあることがわかった。
小さな海老だ。ベトナムでは一般的にこの海老は食べない。
ところが、バランスの良いグループはこの海老を食べていた。
よって、たんぱく質を摂取できていたのだ。

2.文化の違い
多くは、取れた米を親がおたまをとりわける。
バランスの悪いグループは、おたまで、深くすくって父親に渡した後、子供の分を浅くすくって渡していた。
一方、バランスの良いグループはお玉をかき混ぜて子供に渡していた。

結果的に、このコック際期間は解決方法として、教育を行うプランを行った。

プラスの差異のアプローチについて

問題を抱えている人自体が、問題を持つと考えること。これがポイント。

難しい問題、たとえば人身売買のような問題点が多いものについても、考えることができるだろう。


解決策が見向きも去れないときは?

民衆は、逼迫した状況のときは、適応に対する解決策よりも、即決的な技術的な解決策が役に立つと思う。そんなときにどのようにアプローチすればよいのか?

人間は鏡を見つめるだけでは学べない
多様性のある観点から見つめるべきだ。
リーダーシップの仕事は、多様性の中から、真なる価値を抽出することにある、


複数の人がリーダーシップを発揮できるか?

難しい問題に対して、5つのリーダーがアプローチを行う。
解決する初期の段階で考えること。

各リーダーは、内部のメンバーにも問題の解決を促す。
つまり、このアプローチは一人がすべての答えをもつのではない。

適応を促すやり方を進める場合、一人で考えるのは間違いだ。

リーダーシップとは、複数の観点から問題に取り組むことが重要なのである。

また、リーダーシップにおける権威の使い方とは、壁を用いるのに権威を使用する。
権威は作業工程や、誰を担当させるのか、させないのか調整する際に役に立つのだ。

ただ、人は適応することを避ける傾向にある、ということだ。
リーダーは、この回避に立ち向かうということが重要である。


適応が必要な作業を回避する形

1.責任転嫁を促す
大統領がくるくる変わることがそれを指す。つまり、問題解決にはならない

ギリシャ危機の際、多くの国民が問題はアジアからの移民によるものだと考えた。
しかし、問題の本質は文化にあった。なれあい文化だ。
村レベルにまで蔓延していた。村長は市長に、市長は知事に依存していた。

2.注意をそらす
人々は、能力にあった問題しか特定しないことがある。
これは問題が解決しない際のリスクだ。

コンサルタントを雇う際、最も役に立たなくなる例としては、雇う側が問題から目を背け、コンサルタントの提案に対して見向きもしなくなるということだ。

リーダーシップには絶望に立ち向かう勇気が必要だ。


コンサルタント、政治家など、専門家が善意でよくしようと思っても、なぜ失敗するのか?

真の解決は「人の心や考え方を変え、新しい能力を備える」ということがわかった。
しかし、これは往々にして捨てられてしまう。

環境や経済や、政治的な要因が「環境の適応」から「技術的な要素」へ変えてしまうためだ。
適合が必要であるという要素が失われ、適応に失敗することになってしまう。

人は本質的に変化を嫌う。
しかし、これは常にではない。

この本質に立ち向かうためのアプローチがある。
よい方向であれば別だ。


次回へのつながり

変化を嫌がるのは、何かを失うリスクがあるからだ。
リーダーが必要なのは、この変化であり、リスクを説明することだ。
何に耐えてもらう必要があるのか、説明する必要があるのだ。
今後、この説明について学ぶ。


ではまた。