2013年12月3日火曜日

【所感】リーダーシップについて(NHK白熱教室まとめ 第5回)

前回のつづき。

またまた、まとめるよー。
プライベートで忙しくて遅くなった上に、完全に意訳だけど。

今までのポイント

  • リーダーシップと権威を混在して考えないこと


前回からの課題
変化を嫌がるのは、何かを失うリスクがあるから。
リーダーが必要なのは、この変化であり、リスクを説明することだ。
何に耐えてもらう必要があるのか、説明する必要があるのだ。
今後、この説明について学ぶ。

変革の種

変革の種は組織の中にあるという。
では、組織の中で、「人々は喪失の危機を畏れる」とは何か?

組織の従来勢力とどう向き合うか。

古い文化に新しい行動様式を与えるには思った以上に時間がかかる。

組織の文化に適応することが最初のステップ。

失敗する多くの例として、政治をあげよう。
官僚は、多くの政治家のやる気をくじき、消えることをじっと待つ。
政治はすぐに交代するからだ。
既存組織は長い目で変革を見ている。
そして、新しい変革者が来ると、「またきた」と反抗するのだ。

アフリカの例

一人の医療に従事した人がアフリカにて医療の向上に貢献した男の例。
その彼は、森の民が国際援助団体がどれほど上手に使うかを学ぶ。

国際協力隊の車が来ると、アメリカの、日本の、ドイツの種類を見分けて、原住民は言う。
「今度は何をすれば(相手の国は)喜ぶのだ?」

国際団体がアフリカに欧米式の方法を伝えても、あまり意味がなかった。

一例をあげる。
会計を適正化するため、アフリカに教育する施策が打ち上げられた。
しかし、結果としては欧米方式と実際の帳簿の二つを作成して対応していた。
つまり、帳簿を2つ作って終わらせる。何も変わらなかったのだ。
過去、200億ドル以上もの費用を費やしたが効果は限定的だった。

この例において、成功したのは1カ国だけだった。
成功したのは誰かが10年かかって文化に参加し、文化に適応した施策となったときだけのようだ。

変革の種

大事なことは、文化が許容できる範囲で変革することを実施する、ということだ。
適応する能力を身に着けるということは、かわりに何かを捨てて変えていくことである。

世界中のどんなコミュニティでも変革の必要がある。
ただし、その変革には変革者に対する信頼が必要である。

文化を超えてリーダーシップを発揮できるか


ニューオーリンズでの失敗の例。
ある人が麻薬、ギャングのいる町で、救急病院に勤務したが、何も変わらなかった。
医師として参画したが、治療と包帯の毎日で終わった。
これはどうして失敗したのか。どうすれば変えられたのか。

失敗の要因

講師は発話者の話を聞くに、失敗の要因のひとつは、白人、黒人の人種差別により信頼されなかった点であると分析。

  • 相手の文化を理解しようとしたか。
  • やったとしたら、社会的な問題に対して何を行ったか。何が足りなかったのか。
これらのヒアリングを聞いた結果、講師は以下の問題を指摘した。
  • 実施したこと
    • 技術的な問題は解決した。それは医療
  • 失敗したこと
    • 本質的な対応「変革する」には失敗した。
    • 妨害によって発揮できなかった。
    • 相手の問題点となっているコミュニティに解決する方法を考える。

医療のレスキューにおいて、暴力は表面的な結果にしかならない。

解決策の一例としては、地域のコミュニティに参加すること。
もしかしたら、コミュニティに受け入れられたかもしれない


  • リーダーシップのポイント
    • 人類学者のように考える。よく観察すること。
    • 「何をすべきか、何をしてもいいか、誰と何をし、誰に協力してもらうか」を考える


問題について再考

  • 教育レベルが低い
  • 子供たちの家を訪問しようにも、警官でも行かないところであった
  • だから見なかった。
  • リーダーシップを発揮するにはリスクを見込んで、前に進む必要がある。
  • 子供の家にたずねる
  • 何とかして現状を打開しようとして考えている人がいたかもしれない。
  • そんな人とアプローチする方法をもう少し考えてもいい

なぜ行動を起こさなかったのか。

問題はあった、コミュニティもあった(仮定)、何もできなかった親、政府機関、聖職者、そして何より、同僚の医師や看護師や、救急救命士や患者などと会話する機会はあったはずだ。
しかしながら、発話者はこれらの人々から問題の分析を行っていない。

本質的な問題は、これである。

病院で目の当たりにしている問題の原因、それは外の力学はもちろんだが、自分自身の問題にも気づかないといけない。

リーダーシップを発揮するには、自分が忠誠を尽くす人と向き合う必要がある。

忠誠の対象は以下のとおり。


  1. 職場という共同体。もちろん反対勢力もある。傍観者もある。
  2. 社会的な共同体。家族、友達、ご近所さんなど、いっしょに何かをする関係。
  3. 自分の先祖。自分のご先祖様は何というだろうか?思い出、歴史と向き合うことを兼ねる。

自分のまわりの変革が必要だが、これらの人々と向き合わないといけない。

ニューオーリンズの問題も、おそらく、答えはあったはずだ。

ところが、自分の心の中で歯止めとなったものがあったはずだ。

一方で考える必要があることがある。

過去にリーダーシップを発揮させなかったことによって、誰をがっかりさせただろうか。

リーダーシップを発揮する機会を生かさなかった理由は?

今一度、自分と向き合って考えるべきだ。
「リーダーシップは権威のある人がやればいいんだ」と言う人はいただろう。
「一般人は文句を言うだけでいいんだ」という人もいるだろう。

しかし、リーダーシップを行う機会があれば生かしてほしい。

変革しようとして失敗した事例から、成功して得た事例から多くを学ぶ必要がある。

女性の権利を主張する例

女性の権利に対して活動を行うと、ものすごい妨害が発生する。

たとえば、妊娠中絶等の改革を促すと反対者が発生する。

なぜアメリカで妊娠中絶に対して、反対する男性がいるのか。
男性にとっては何も失うものが無いのに。
この問いに対して、講師は言った。
自分がすべきなのかは、何を失うかを考えるべきだ。

抵抗する人が失うものが何かを考える。
失われるものが何か特定し、受け入れてもらう。
ただし、それ以外は保障できることを示すべきだ。

多くの問題は、文化であり、宗教と綿密にかかわっていることが多い。

価値観をいつ身につけたか。

親から学ぶことに始まり、社会の規定を学ぶ。
何をするにも、その人なりのルールがある。
地域社会、目上の人、親、友達によって与えられるルールに基づく。

たとえば、妊娠中絶の権利においては
「親、地域社会、等から教わったことは間違っていたと理解し、今までの教えに背け」
といっていることに他ならない。

従来の価値観を覆すには、今までの歴史と戦う必要がある。

固定観点、余談、先入観をいかに外れられるか、あるいは、そういった人々との軋轢を乗り越えないといけない。

つまり、変革を促すリーダーは何を失わなければならないか、明確に示さなければならない。

この例を具体的な例で示すと、

  • 本来のプロセス
    • 大きな問題を回避するためには、誰かの足を踏む必要がある。
    • しかし、いっぺんに踏むことはしない。指の1つずつ、耐えられる範囲で行っていく
  • 今回のアプローチ方法
    • 踏んだことに気づいていない
    • したがって、うっかり踏んでしまって、踏み返されてびっくりした状態と同じような状態。

つまり、相手の価値観を見つけ、段階的に適応させる必要がある。

女性に抑圧を、機会を与えないことは何を指すか

女性に権利を与えないということは損失が生まれているということに気づかないといけない。

  • 変革を求める女性
  • 変革を求めない女性
  • 変革を求める男性
  • 変革を求める男性

こういった軋轢によるエネルギーの消費が行われている。
どれほどのエネルギーが、そういったエネルギーの消費に使われているか考える必要がある。

女性に機会や自由を与えない。
それは、世界の流れから遅れていくことをさす。

そういったデメリットを考えると、変革に伴う価値はきっとある。
しかし、反対論者には逆に失う価値もある。
その間で、失うもの、残るものの間を取り持つことにリーダーシップの本質がある。

何かを捨てさせるには?

アメリカにおける銃規制法の例。
最近は、お互いが硬直化している。

考え方の例を示す。

  • 相手のところへ行き、話に耳を傾けることだ。
  • 相手の価値観に共感できるところを見つけられる
  • 相手の価値観に変革が必要なところが見つかるかもしれない。

たとえば、この問題の本質は銃の有無にない。

教えてくれた親に対する忠誠、狩りに行った思い出や、銃は責任が伴うことによる責任感を持つことかもしれない。相手の思い出を捨てさせることは難しいだろう。

相手の価値観や人生を知ると、どう説得すればいいかわかる。

たとえば、失われるものが狩りの思い出であった場合、その思い出を区別し、説得する。
銃をすべて廃止するのではなく、散弾となるものを廃止する、限定的な箇所で廃止する等、だ。

つまり、

  • 未来にもって行く価値観
  • 捨ててほしい価値観

という点を明確にし、深い思いについては残していくことを示し、相手に取り計らうべきだ。

相手が、自分の価値観を失うように言ってきた場合は?

どうするか?

忘れてはいけないポイントは「自分の価値観を押し付けることではない」ということだ。
「価値観の内部矛盾を特定すること」である。

一般的に、人間は問題から目を背けることが多い。
科学的な事実からは直視しないことが多い。失うものやコストが大きいからだ。

キング牧師は「わたしにはビジョンがある。」と言った。
その言葉の後、決して、「それは私のビジョンだ」とは言わなかった。
「それはアメリカのビジョンに深く根ざしたビジョン」と言った。

指示する人が一人もいなかったとしてもリーダーシップといえるか?

言える。

それはよくあることだ。
自分自身を動かすこと自身もリーダーシップである。

女性の権利を指示する人ががとるべき行動について

自分が真実だと訴えることではない。
そのやり方では、過去の歴史と一人で向かえることであり、暗殺されたら終わりだ。

地域社会や学校など、自分の周囲に働きかけ、効果的な組織を作り出すことだ。

リーダーシップは周囲に潜在的な能力を生み出すことだ。
カリスマ性を生み出すことではない。

身近な例

一人の先生が多くの生徒を教えている。
先生は一人ひとりの生徒に向けて、指導計画を立てている。

校長は先生一人ひとりがリーダーシップを発揮するように促す必要がある。

リーダーシップの失敗は権威の誘惑に負ける。
「俺は校長だ、指導要領に合わせて教えるのだ」といい、先生も生徒に同様の活動を強いる。
するとどうなるか。

20%あるいは半数の生徒には失敗するだろう。
個々の問題については、個々の対処が必要なのだ。

変化し、適応する能力。
コミュニティーが持ち適応の能力を発揮するには、大勢がリーダーシップを発揮することが必要。

運用に一人がいてもいい。それはモチベーションが高まり、活発な動作が見えるからだ。
しかし、一人に依存しすぎてはいけない。

想定される未来に向けて、どうやったら、その未来に行けるかはわからない。
なぜなら、われわれは多くのことを学び、失敗しながら、前に進んでいるからだ。

次回の話題。

おそらく机上はここまでで、次回はいよいよ身近な例について考える。
課題、忠誠心、支払うべきコストについての実例を考える。

ではまた。